遊び尽くし お茶漬け一杯の奥義
/お茶料理研究会:編、大森正司:監修

創森社  1998.8.12初版

時節柄、食欲増進の為と思い手に取りました。
居酒屋や和食を扱う店のメニューに異を唱える訳では無いですが、
葡萄瓜にとってお茶漬けと言うのは「自宅で小腹の足しにさらさらと
かき込む物」であってわざわざ店でお金を出してまで食べると言う
のは今一つ馴染めないのです。お店なりの美味しさの工夫は承知して
いるのですが。
お茶漬け海苔に頼らぬお茶漬け、家で召しませ。
                   (2003.8.4)

天才の息子 ベレー帽をとった手塚治虫/手塚眞

ソニーマガジンズ  2003.4.25初版

ふとした好奇心から手に取りました。
ヴィジュアリスト・手塚眞の著作には多少触れた事はあります。
果たしてその筆致で彼は肉親でもある「マンガの神様」をどう
描いてくれるのか。そう言う、少し下衆な好奇心です。
気持ち良いくらいに裏切られましたね。
この本に描かれているのは本当に神様なんでしょうか。マンガと
言うジャンルの中に存在したある種のビジネスマンなんじゃない
でしょうか。 
神話の作られ方を考えるヒントになる一冊でもありそうです。
                 (2003.8.4)

伝奇・伊藤晴雨/斎藤夜居 

青弓社  1996.9.30初版

伊藤晴雨ものがたり/団鬼六 

二見書房  2000.3.25初版

昭和の責め絵師・伊藤晴雨の評伝集とモデル小説です。
併せて読むと世界の奥行きが一層深くなると思いますので、敢えて並べてご紹介。

申し上げたきは『知らずして侮る無かれ』です。
本当に読もうと思った方のみお読み戴くが良いでしょう。
                   (2003.9.8)

わたくし的読書/大田垣晴子

メディアファクトリー  1999.4.30初版

一言で言えば読書エッセイの漫画版。かなり力が抜けた描線なので
構えずに済むか、と。内容も結構多岐に渡っていますが読み易いです。
感服したのは『倒錯の愛』と章立てされたやおい本について書かれて
いる件ですね。冷静に見て下さって有り難く思います。
                  (2003.9.9)

ニッポンの男たち(フランス女性が聞いたホンネの話)
/ジョリヴェ,ミュリエル:著、鳥取絹子:訳

筑摩書房  2002.11.25初版

葡萄瓜とてたまにはこんな本も読みます。
読んでみて、しみじみ男という性の業の深さを思いましたね。
業が深い癖に、またその業から抜け出す方法を自力で探せない生き物なのです、
男と言うのは。理屈捏ねは本当に得意ですけどね。
時々この手の本を読んで滝に打たれた心地を味わって置かねばとしみじみ
思いました。   (2003.9.10)

性の倫理学/伏見憲明

朝日新聞社  2000.6.1初版

歯応えがとても強く、それでいて咀嚼し易い本。
伏見氏をホストとした対談集、と言うよりは雑談集ですが、登場する人をみると
伏見氏を素人と思って侮っている人、プロ相手よりも却って真剣に取り組む人と、
一寸した拍子に見えてくるので愉しいものです。
努々タイトルと文章の外面に騙される勿れ。感じる事で判る事実もあるのですから。
                (2003.9.16)

個人ホームページのカリスマ 月刊5億ヒットの秘密/金田善裕

講談社  2002.5.23初版

すみません。出来心で肖りたくなりまして(苦笑)、と言うのはまあ冗談です。
まあ一種の伝記読みですね。立志伝読みとも言いますか。
カリスマにはちゃんと素顔が有るのだよと教えて貰い、非常に勉強になりまし
た。ネットで同じ内容が出ていても、もしかしたら流し読みだったかも知れ
ません。こう言う時に紙媒体と言うのは実に有り難いですね。
                (2003.9.16)

はじめて語るメンズリブ批評/蔦森樹:編

東京書籍  1999.8.15初版

やおいの記録を残そうと積極的に思い出してから、改めて「男」って
何だろうと思う様になりました。医学上、オスの延長である男云々で
ある前に自ら社会の中軸であると自負したがる存在としての男についてです。
この本を読んで感じたのは、男と言うのは何て自分の位置に固執したがる
生き物なんだという溜息にも似た疲労感です。
無論、男である自分がこの本を笑えた義理はありません。然しながら、
この本の中身其の侭の男性達が今尚この社会に存在し迷っていると感じると、
遣る瀬無い気持ちになるのです。   (2003.9.21)

顔のない男/ホランド,イザベル:著、片岡しのぶ:訳

冨山房  1994.7.14初版

内容の傾向から言うと萌えの部に入れるべきなのでしょうか。
児童文学と侮ってかかると手痛い仕打ちを受ける本であるのは確かです。

『顔』という単語には実に様々な意味が込められます。
その存在を廻って誰もが迷路に陥り、そしてその内何割かの人は幸運にも
迷路から抜け出すのです。幸運をわざと逃がす人もいますけど。
鏡として手にとって欲しい一冊、ですね。  (2003.9.23)

いいのかこれで 考えるヒット6/近田春夫

文藝春秋  2003.5.15初版

本の内容と装丁がこれ程釣り合っている本は昨今中々ありますまい。
下手すれば空気の方が重いです。馬鹿馬鹿しい程に後味もなし。
                   (2003.9.30)