何故かフクロウと言う鳥に惹かれます。フクロウと言う響きにさえ 惹かれてしまうのです。これはもしかしたら幼少時に観た覚えのある 『2時のワイドショー』に起因する事なのかもしれません。 …などと葡萄瓜の得意技独りよがりボケをやってしまいましたが、 この本はお笑いには一切関係御座いません。至極真面目な文化誌です。 ギリシャ時代に溯るイメージ論から生物学的所見、そして文化の所々に 顔を覗かせるフクロウのイメージに就いての考察…少し深く、そして広いです。 (2003.3.14)
『シャアロック・ホルムズ氏の本宅は西淀川に有った』 すみません。最近一人ボケの傾向が激しいです。 でもここまでホームズ像をぶっ壊されたら(それも本当に大阪風にベタベタに) 一寸ボケたくもなりますわ。流石にこのまま吉本に持ち込もうとは思いませんが。 なお、俎板に乗っているのはホームズだけでは御座いません。恥ずかしながら 葡萄瓜は、この本を読んでからA.A.ミルンがミステリを書いていた事を 知りました。縁は余りに異なもの。 (2003.3.14)
副題に『パンク=マザーグースの事件簿』とある事から今回の探偵役に ついての想像は容易かと思われます。そしてここでは其処から生まれる ギャップが事件を様々な角度から浮き彫りにするのです。 この面白味は実際に読んで戴いた方が良いのかも知れません。 収録の3篇の内葡萄瓜がお薦めしたいのは3篇目の『永劫の庭』です。 其処で説かれるものを衒学的と笑い飛ばすか否かは読んだ方に委ねますが。 そして嬉しいおまけ。装丁は京極夏彦さんのお仕事です。 (2003.3.14)
最初に読んだ時に、面白うてやがて軽度の頭痛の心地を覚えた本です。 一寸気になって再読してみました。 …………何と言うか、ネットの一面を予見されてしまった様な気がします。 〆の言葉によって葡萄瓜も「あ、発言して良いんだ」と安堵しますけど。 場違いな感想かも知れませんが、活字信仰とネットの普及って、本当に 繋がってるんだなぁ…としみじみ思いました。 掲示板の発達を考える一助の一冊にもなりましょう。 (2003.3.18)
名古屋を舞台にした探偵シリーズの(葡萄瓜が確認した)最新刊です。 なお、この「やっとかめ探偵団」の構成員は皆婆ちゃんです。 …と、ここまでで敬遠しようと想った貴方。損しまっせ? 亀の甲より年の功・身近に潜む落とし穴・新聞の行間に潜む悲喜劇… 穏やかな日常とは結構得難いものだとしみじみ思います。 (2003.3.18)
正直に言えば、自分の内側を観る為に手に取った一冊です。 読んだ動機も感想も、上の一行に尽きてしまうんですね。 タイトルに騙されちゃあいけません。サンプルを提示されながら、 いつか読み取っているのは自分のデータだったりする…そう言う 空恐ろしさのある本です。 (2003.3.19)
東北に多く見られる「即身仏」とその信仰周辺に就いてのレポートです。 「湯殿山」とキーワードを出した方が判り良いかも知れません。 信仰対象にこう言う失礼な表現はしてはいけませんが、怪奇画像に弱い方は 図版を御覧にならない方が良いです。文章だけでは克明な容姿まで描かれて いない分多少マシですので。 信仰と言うものの側面を嫌でも見てしまう、そんな一冊です。 むしろ知るべき側面かもしれませんが。 (2003.3.19)
旗師・冬狐堂シリーズにして蓮丈那智も絡む贅沢な一冊です。 (不親切な紹介だとは承知なんですが…ネタばれ回避の為です) 本当にじっくりと読ませて戴きました。葡萄瓜はこの中に出て来る世界の 地面をほんの少しの間踏んだ事がありまして…その所為もあって余計に 興味深く読んでました。正に手に汗握る丁々発矢、狐と狸です。 この紹介をしている間にシリーズを読み返したくなってしまいました。 本棚を掘り返してみるとしましょう。せめてキーワードだけ。 歴史と鏡像、です。 (2003.3.19)
匠千暁シリーズの長編です。 メビウスの輪の様な味わいといえば良いでしょうか。 何処をどう話してもネタばれの謗りは免れないと思うので、 「メビウスの輪の様な」としか言い様が無いのです。 ただ敢えて言及するならば、束縛と依存は裏表、と言う事でしょうか。 (2003.3.22)
「おばぁ」が訪ね歩くウチナーの唄、です。 読んでいる内に心がほーっと解れてゆきます。 ウチナー効果とでも言うのでしょうか。 でも、それだけの一冊ではありません。締める所はちゃんと締めてくれます。 (2003.3.22)