追憶の少年 夢の子供(番外編)/浜田翔子

BE×BOYコミックス  1997.7.10初版

本編は又日を改めて。と言う事で番外編読みきり3篇収録です。

んー……誠実過ぎるんですかね、この主人公達。
そう言うシーンがあっても、それが萌えじゃなくて何か別の訴えかけに
思えてしまうのは何故なんでしょう。そう言うの、嫌いじゃないですけどね。
やおいでこう言う部分を描けると言う事に、改めて舌巻いてます。
年齢制限の点滅ハートは、この巻には付けません。本編には付けるかも
知れませんが。      (2003.4.8)

ブレスSPECIAL Vol.14 特集・ロリショタ 保存版

ヒカリコーポレーション  1996.12.5発行

今にして思えばこの『保存版シリーズ』が倒産への時間稼ぎと最後の
荒稼ぎ手段だった様な気がするBL雑誌『ブレス』です(汗)。
この当時では結構順調に雑誌も出来てた筈なんですけどね。原稿が
スケッチ段階のまま印刷される事も殆ど無かったし。

さて、この特集号の親本(やおい事典に出版日明記・この保存版の1年前
発刊でしたか)にて『ロリショタ』と言う語が送り出された模様ですが…。
改めて観ると単にショタでも良いやんかと言う気がします。
本当にロリと言うかそう言う属性の主人公が登場するって2篇程ですし。
商業からニーズを選択するのは一種の博打だなぁ、と今も昔もつい
溜息吐きつつ思ったりして。   (2003.4.8)

U.C.BOYS SECOND SHOUNEN ONLY BOOK2

さくらんぼコミックス(茜新社)  1997.1.25初版

タイトルは正確には『Under Cover BOYS SECOND』となってます。
完全に年齢制限ショタコミックのアンソロジーですね。
描いている人達は名前を変えたりしてますけど今でもしっかり
ショタの方面にはいらっしゃいますし^^;ロマンJUNEと同じ種類の濃さ
ですね、こりゃ。修正も心なしか控えめだと言う…。
資料と言うよりもまだ現役の本でも通用するかも。  (2003.4.8)

筋肉男 VOL.1 漢攻め×漢受けアンソロジー

光彩書房  2002.7.20初版

萌えと一般を分けた途端に濃い本ばかり紹介している様な気が…。
いえ、本当は濃い資料を仕入れて紹介したいが故に分割作業をした訳でして(汗)

すみません。どうも体つきはしっかり皆さん男なのに心理的には
相当乙女入ってる様な気がするんですが。
漢と言うからには密かな期待を匂わせないで下さいませ。恐恐謹言。
                     (2003.4.8) 

カノン NO.1 1992.11 Comicアットーテキ11月増刊号

光彩書房  1992.11.15発行
この当時としては過激な方だったのではないでしょうか。
ロリコミック雑誌の増刊号である事も多少は幸いしたのかも知れません。
只…現在も続けていらっしゃる方と言うのは半数にも満たない様で…
時代と言うものなのでしょうか。その頃が在って、今があるとしみじみ
思うのですが。   (2003.4.8)

ais・A  1992 VOL.1

三和出版  1998.11.15発行

タイミング的に『カノン』の競合誌として作られた雰囲気があります。
特集に『炎の蜃気楼』を組んでみたり、執筆陣にも壮々たる面々を
揃えた様な感じで。しかし、観て戴ければ判る様に年齢制限の
ハートマークは付いておりません。限りなく健全です。
試行錯誤した様子が何となく誌面から伝わってきて、少し切なくなりますが。
                      (2003.4.8)

中庭のライオン/赤江瀑:原作、森園みるく:画

Jour Comics 1995.4.18初版

年齢制限記号はつけていませんが、レディースコミックの範疇ですので、
それなりのものです。心して取り掛かられますよう。

男女の耽美で在りながら、どうしても男性同士の耽美を描く為に女性を
出汁にしているとしか読めないんですよね(苦笑)
原作が赤江さんですから仕方ない話なのですが…。
背徳抜きには、美に耽る事は許されないのでしょうか。  (2003.4.8)

車輪の下/ヘッセ,ヘルマン、高橋健二:訳

新潮文庫  1985.2.25改版初刷

名作の括りに入れるべきなのでしょうが、敢えてこちらで言及を。
ここでスパイス的に織り込まれている友情の延長を青年期の反抗と
安易に結びつける…のはかなり早計な気がします。
もしも主人公達がもう少し強ければ、それは彼等を守る楯になったかも
知れません。只、小説の眼目が恐らくは逃れ得ない挫折ですので、
その感情は途中退場させられただけでしょう、と。
その気持ちを楯にして主人公達が進んでいったらどんな結末が生まれた
のでしょう。始まりがやおい的であっても、終わりがそうとは限らないとは
承知して思ってみますが。  (2003.4.8)

いつか夢になる日まで/冬城蒼生

ワニブックス  1994.9.15初版

やおいのノベルズをいつも読んでて思うのですが、活字が少ない(苦笑)
内容故にではなくて、造本の過程故にそうなるんでしょうけどね。
ここで疑問符を顔に貼り付けている方の為に。普通のノベルズと言うのは
2段組でページが構成されてるんです。対してやおいノベルズでは1段組。
尚且つ一般ノベルズに比べると行間が広く取られているのですね。

年下攻王道パターン、の様な感じがあります。生意気だった年下攻がちゃんと
成長して年上受を甘やかすと言った感じ。確かに萌えるんです。
でもね、気持ちの確認の度毎に体重ねててどうするんだと言う気もしないじゃ
無いんですよ(と、自分の作風は思い切り棚に上げる)
葛藤が今一つ感じられなかったのもその所為なんでしょうか。
                      (2003.4.9)

東大オタク学講座/岡田斗司夫

講談社  1997.9.26初版

通しの講座でありながら葡萄瓜が読むのはやおいについての講座のみ。
特別講師は青木光恵女史(西原理恵子女王に弄くりまくられているお方)
であります。関西人のオタクは活字でも濃いものだと再確認できました。

もうバサバサ切りまくって下さいますねぇ。『先っちょにつかないのが
「やおい」で付くのがホモ』って…東大でっせ?(苦笑)
やおいの基本的な感覚と言うのは初期から全く変わってないのかも知れ
ません。そりゃお洒落にはなりましたとも。でも根っこの部分と言うのは
この当時ですら進化してる様に思えない(苦笑)

さて、語源についての言及があるんで一応押さえときます。
ショタ=金田正太郎語源説は岡田さん、学生さん達への説明に使ってます。
因みに岡田さんの昔見たやおいと言うのが『ボルテスV』…時代を感じ
させるものでございます。葡萄瓜は古本屋で『UFOロボ・グレンダイザー』の
やおいに遭遇した事が学生時代にございます、はい。
この章、やおい『概論』だけでいいやと言う方には割に丁度いい分量なのかも。
内容が未知の方には其れなりに濃いでしょうし。   (2003.4.9)