電子ブックに拠る画集です。現代の耽美浮世絵師と名高いだけあって、 その作風に唯酔うばかりです。これに関しては世間の情報に踊って 買って良かったと心底思えます。 美しいものは、時に激しく淫猥なのですね…心を乱して戻せない程に。 (2004.4.7)
能の第二祖の生涯を追う中で稚児の在り様を描いているのですが、 その描き方に湿っぽさは無く、それで居て艶があります。 稚児の光の部分だけを描くのではなく、影の部分をやや多めに 描いた事でむしろバランスが取れているのでしょう。 時の移ろいと共に変わる稚児の在り様もさらりと描いてあるので、 参照とするには佳品かと。一般小説としても非常に硬質で好感が持てます。 (2004.7.3)