たまには真面目に・参〜1クリックの責任〜

昨今、(主に海外の)画像掲示板に端を発した無断転載が
物議を醸している様です。
大体海外の方と言うのは本邦の同人画像にせよ公式画像に
せよWEBに出回る無料素材と認識している節が大きい様で
御座いまして、その恥知らずさが観ていていっそ清々しい
程に無断転用画像を大量に『サイト』にアップして“gall-
ery”だの“scans”だの“bishonen”だのというコーナー
を設けておいでになる訳です。
そうして吸い上げた画像を高価に転売されるそう言う方面
だけに頭の良い御仁もいらっしゃる様ですしね。
ですが今回の事例は、度重なる転載がサイト閉鎖という事
態を招いているのですから穏やかではありません。しかも
彼等はその事に関して罪悪感を抱かぬばかりか次の標的を
漁っていると言うのですから呆れた口が塞がりません。

そもそも、WEB上に公開されている同人画像と言うのはあく
までも作者の好意の上で無料公開されている訳です。その
画像を同人媒体に定着させて販売すれば多少の金銭を入手
できて又次の作品製作の資金になるであろうにも拘らず、
彼等はその努力の結果を無料公開して、我々の眼を愉しま
せて下さっているのです。
物書きの端くれとして愚考を申し上げますが、手間暇経費
に関して言えば無料にしてしまっても特に苦にはなりませ
ん。何処かで誰かが観て下さって微笑か苦笑を浮かべて下
されば充分報われます。
然しながら、作品に込めた思いを無に帰する事は承服しか
ねます。作品に込めた思いは金額で換算する事は出来ませ
ん。その思い故に皆作品を公開し、思いを深めたいと願う
のでしょう。
今回の転載騒動では、作品が物のように扱われ、欲しがら
れました。筆者にとっては、その点がとても物悲しく思え
ます。画像を転載した人間にとって、その作品とは所詮自
分を満足させる為のアイテムだったのでしょう。そのアイ
テムを見せびらかしたから、人が群がったに過ぎません。
転載した『彼』の価値が認められた、訳ではないです。

海外でやおいショタの佳品が育たない理由は彼等の性に対
する感覚故のみかと思っていました、が、この無断転載に
対しての姿勢も関係ありそうですね。
作品に対する思いを踏み躙られてまでフリー公開したい作
者は、自分の権利を大声で主張する異国では特に居ないで
しょう。当然と言えば当然の成り行きです。

但し、自作品に対して転載禁止を声高に申し立てた異国の
同人作家が本邦同人画像の無断転載に加担していた例を見
ると、要は自己保身したいだけの恥知らずな言い訳かと白
けた気分にもなるのですが。
アップローダーのエンターを押すその1クリックにどれだけ
の責任があるか、よくよく知った上での行動を望みたいも
のです。
                  (2004.3.15)