前の段は確か…初期のC翼同人が如何に「濃い」内容か、でした
っけ?
そう、容赦無かった。最初からもう肉弾戦のオンパレードだった
(葡萄瓜がそんなのしか選んで読まなかったと言う説もあるが)。
在野の同人誌でそうなのだからこれがアンソロジーになるとどうな
ったか?態々其れをお聞きになる?もう尾崎南が登場したと言う時
点で予想されている方もあろう(幾ら彼女の初期の「淡い」作風だ
ったとしても!)。
同人誌を立ち読みした後で続けて立ち読みする「JUNE」の何
と健全に思えた事よ!其れ迄の価値観が崩れていった瞬間だった。
波の色はそれから徐々に多彩になっていった。☆矢、サムライト
ルーパー、サイバーフォーミュラー、メタルジャック、シュラト…
現在ではヒカルの碁か。この頃はミステリ同人はそんなに感化され
ていなかったらしい。小説への進出が目立つ様になったのは多分
「炎の蜃気楼」が出た辺りだろうか?言っちゃ悪いが「小説JUN
E」はまだ其の頃純情だったし。
話をとりあえず戻そう。
多分其の辺りでは「やおい」は「同人」の代名詞ではなく、1ジ
ャンルとしての位置付けだった筈だ。だから、エロを只描き散らか
す男連中は安穏としていたと思う。其れがヒステリックな攻撃を加
える様になるのは「やおい」が同人の代名詞になった頃、C翼から
徐々に☆矢に移り変わって、アンソロジーも定着し出した頃だ。そ
う、現在「JUNE」系統(「ピアス」含む)が濃くなる原点とな
った「ロマンJUNE」なる増刊号が発刊され、定着したのもこの
辺りだと思う。
この増刊号は凄かった。何しろリアルな方々の雑誌に掲載されて
いた小説の中から乙女向きを選んで無修正で再録していたのだ。ぐ
うの音も出ないというのはこの事で、肉体主義の進行に拍車をかけ
たのは言及するまでも無いと思う。
何時しか、オリジナルストーリー、というものも出てきていた。
其れもきちんとした短編小説程度の長さ、原稿用紙30枚程度の分
量で、読み応えのあるものが。無論、其のシーンもあって、だ。
そう、同人作品が原作を補完し出したのだ。原作に依存しない作
品が増えた事によって、「同人=やおい」の裾野は益々広がる事と
なる。変化も、徐々に進行していった。
続きは次回の講釈で。