そう。大学入学後から阪急ファイヴ詣でを始め、僕の漫画に
ついての窓口は広がった。入り浸る、と言う事は無かったが、
少なくとも情報に困らない程度には通っていた。
前項で「キャプテン翼」ブームだった、とその頃の事を描写
したが、まだまだ「海のトリトン」や「ガンダム」、「宇宙戦
艦ヤマト」等の系統や海外ロックグループ系統も元気、だった。
惜しむらくは…と言う言い方も変だが、それらは僕の眼から見
てもかなり奥床しかった。性描写に関しては殆どイメージ頼り
といった感じ。そのものズバリ、では無かった。
しかし、「キャプテン翼(以下C翼)」以降の一群はかなり
あからさまだった。絵にしても、文章にしても。其れこそ、直
接的な描写があちら此方に散らばっていた。そして、関係とし
ては殆どが強姦に始まり支配に終る、と言った感じだった。
この辺の感想は僕の行動範囲の狭さと主観が大いに働いてい
るので鵜呑みにしない様に。出来れば歴戦の兵方に確認を取っ
戴けると有り難い。
実はこの通信を書くという事で記憶を紐解いていて思い出し
たのだが、実は受験会場でも「やおい」同人誌(当時は「耽美」
と称していた)を見た覚えがあった。其れも実にユニークな題
材で。
野球漫画の「ドカベン」である。あのTVアニメにもなった
ドカベンの、S中投手総受SMであった。…其の時の衝撃も思
い出してしまった。まあ、其の学校からは落ちたが。
閑話休題。
C翼人気は1つの波になった。思えばこの辺りだ。同人誌の
アンソロジーなるシリーズ本が書店に出る様になったのは。
そうだ。出版社は確かふゅーじょんぷろだくと。第1冊目は
「つばさ百貨店」だった筈だ。青磁ビブロス(現ビブロス)に
よるアンソロジー集は「聖闘士星矢(以下☆矢)」以降だった
筈だし、ましてやムービックその他の登場はまだまだ待たねば
ならない。
高名な尾崎南(以下作家個人の敬称略)が登場するのもこの
前後。ゴッドマーズ辺りで描いていた美崎猛(咲竹留美)は、
☆矢のアンソロジーで登場する事になる。アンソロジーにこそ
登場しなかったが、オリジナルも書く「えみくり(えみこ山・
くりこ姫)」が登場したのも多分この頃。そうそう、「つばさ
百貨店」にはあの人も描いていた。ふくやま省子。
そう、この辺りから現在第一線にいるBL描き達が活動を始
める事になる。借用じゃ無いが、正しく「奇跡の世代」なんじ
ゃなかろうか?
続きは次回の講釈で。