この通信を書き始めるに当たり、改めて自己紹介しておいた方が
良いかも知れない。
葡萄瓜XQO(ぶどうううり・くすこ)、性別男、昭和40年代前
半生まれ。これだけの基本データがあれば充分か。
で、これからこの場で何を綴るかと言えば、葡萄瓜がサイト立ち
上げに至までの同人誌履歴だ。もっとも、僕自身はこのサイト群を
立ち上げるまで(コミケに代表される)「同人」創作の場にはいな
かった。傍観者でしかなかった。
其れが、「ネット」という手段を得て創作をしているのだから、
判らぬものだ。惹きあうものがあったのだろう。
そもそも、僕が現在「やおい」と便宜上総称されるジャンルと出
会ったのは高校から大学へと進学する間の時期だった。場所は大阪
梅田、旧阪急ファイヴ(現ヘップファイヴ)5階のS堂書店(倒産
の為敢えて名を臥す)で、同人誌コーナーに気を惹かれて立ち読み
した、のが最初の筈だ。
まあ、同人誌自体の存在は知っていた。僕自身も高校の文芸同人
誌に所属していたし、漫画研究部だって在ったから、健全な部類は
目にしていた。其の時も特に嫌悪感は無かったな。衝撃も少なかっ
たし。
が、阪急ファイヴで受けた衝撃は凄かった。自慢じゃないが其の
年代の男だからして、こっそりと男女もののエロ漫画を見る事はあ
った。現在に較べれば随分陰湿な絵柄が多かったけどね。
でも僕が垣間見た世界というのは…陰湿さが無かっただけに衝撃
的だったのだ。
実社会で男同士で恋愛をしたとする。社会人ならいざ知らず、ま
だ思春期を彷徨っている少年達がだ。周囲の白眼視は免れないし、
所謂「教育的指導」で徹底再洗脳されるだろう。そんな陰湿さが一
切無い、純粋な肉体愛情に基づいただけの世界…これはキタ。
当時は本当に只SEXに雪崩れ込むだけが多かった気がする。一
時のレディースコミックの垂れ流しに似ているかな?まさか現在の
様にここまで裾野が広がるなんて思わなかったし。
割と受け入れやすかったのは、パロの素材の所為もあったかも知
れない。当時渦の中心にあったのは「キャプテン翼」だった。原作
から目を付けていたので、アニメになった時は素直に嬉しがったが
(いい歳こいて)、まさかこう言う方向でも支持を受けていたとは
思わなかった。
でもね。
不思議に其の時点でも嫌悪感は無かったんだな。寧ろ読み耽って
た。ひょっとしたらやおいを読む男の先駆けだったかも知れない。
そして、大学に通いだすまで少しブランクがあって。
大学に通いだしてからファイヴ詣でも活発にする様になり、葡萄
瓜の「やおい暦」=邪ま暦がここに始まる事となる。
後は次回の講釈で。