資料の漣 物差の違い(2001.5.7)

 さて、海外やおいについての考察第3弾である。
 総じて言えば確かにモザイクが掛かっていない分
刺激としては強い(却ってあっけらかんとし過ぎて
醒める場合もあるが)。
 但し、すんなりと辿り着ける、訳ではない。
 英語圏の場合、『YAOI』と称されるジャンル
の中でも更に『LEMON』だの『LIME』と称
されるものが所謂日本の成人指定に当る様である。
 つまり、性器描写のある『YAOI』を観たけれ
ば、上記2つの指定のあるサイトを見れば先ず間違
い無い様だ。
 其の指定が無い普通の『YAOI』サイトはどう
か?
 まあ、性器描写がある場合もある。でも大抵は性
器に至る寸前で自己規制として画像カット、若しく
は濃厚な雰囲気を醸し出す事で回避している。
 無論パスワード制も存在する。それも日本よりは
かなり厳しいと見える。尤もこれは自己規制と言う
よりは前2項で散々書いた著作権の絡みが大きい様
だ。
 まあ、ゲイサイト間で画像の無断盗用が多いみた
いなので、自己防衛策として行っているのだろう。
 にも拘らず。日本のアニメ・マンガ・Boy'S LOVE
画像は『流出』し、『盗用』されている。何回でも
書くが賛美するが故に、と言う言い訳は聞き入れな
い。『引用』だとしても1つのコンテンツを構成す
るほど流用しているならば立派な権利問題ではない
のか?
 『情報』だから共用している。其れが悪いのか?
と言う事、か。
 其の前提として自分もまた他人に与えられるだけ
の『情報』を持つ事が要求された、と思うんだが?
 出来ないなんて言い訳は聞かない。画像の流用一
切無しにオリジナル作品のみで立派にサイトを構築
している例もちゃんと見ている。第一、流用するに
してもマンガのコマ切れを載せるというのはどう言
う了見だ?ハイライトシーンを切り取ったつもりか?
それとも1コマ1コマなら『参考』と言う言い逃れ
が出来るとでも思ってるんだろうか?
 結局、辛い見方をどうしてもしてしまう。
 何と言うのか、『ここは公認サイトなんだ』と誤
解を招いても仕方ない感じだもの。此れで非公認サ
イトですなんて言い逃れしたら、日本の場合許され
ないよ?だって、原作のパロ書くのと、原作を盗用
するのは明らかに違う事なんだから。原作はあくま
でも原作者の作品なんだしさ。

 怒りに、つい筆が滑ってしまった。
 恐らく、海外の認識としては『YAOI』=『GAY』
なんじゃないかと思う。描かれている絵の傾向から
見る限りは、だが。
 結局、それまでの価値観に変に似通ったものが在
ったばっかりに勘違いしてしまったのかな、と思う。
 同人傍観男の立場から言えば本筋と『やおい』を
等号で結ぶと言う事は無知と偏見の産物である。
『やおい』もBLと称される様になり、交歓シーン
にリアリティは出てきているけれども、根本的な部
分で微妙な食い違いは出ると思う。日本の場合は其
の違いを頭に入れた上での流れがあるからまだ棲み
分けが出来ているのだろう。
 『やおい』理解の為のメートル法的基準が必要に
なりそうだ。海外にも。無論国内にも。言葉だけは
世界共通になってるけど、其の内実は180度違うと
言うのが現状の様だし。 
 混乱して、感情のままに筆を滑らせてしまった感
があるが、海外サイトに関する項目はとりあえず此
れにて本当に終わる。
 興味を持った方はご自分で確認されるのもいいだ
ろう。但し、其の際には自分の基準にはとりあえず
目隠しして置いた方が良い。違和感で前に進めなく
なるから。前に進める様になってから、判断した方
が良い、と思う。