本屋でOh My God! コミックの方法論
(2003.1.31)

WEBコミック、と言うコミックの流通方法が出てきてから
久しい。商業ベースにはまだ今一つ乗り切れていない様子
だが、電子図書と言う観点から言えば喜ばしい事では無い
か、と思う。
そこで気になるのがページ構成。殊に見開きである。

現在流通のWEBコミックは大体1ページ毎の構成で進行し、
流通している。画像形式は大体がJPG若しくはPNG。GIFを
使用されている方も若干お見受けする。流石にBMP形式は
観た事が無い(葡萄瓜が知らぬだけかも知れぬが)。
この1ページ毎の構成と言うのは実際観易い。納まりが良
いのだ。Sの字2周のペースで読みきって、次のページの
リンクを開く。仮に画像だけの表示であった場合も、800
×600の画面さえ確保できていれば充分通常コミックと同
じ様な読み応えが感じられる。
翻ってこれを見開きで処理するとどうなるか。
画像のデータ体積は当然大きくなる。と、同時に、観辛く
なる。縮小したら細部が見えにくくなるし、其の侭の大き
さならスクロールが必要となる。拡大したらそれこそ余計
にスクロールが必要(と蛇足的につい書いてしまうが)。
確かに、見開きにするべきシーンの必然性は判る。読者と
しては、見開きシーンが出てくるとワクワクするのも確か
(中には『誤魔化したな』と薄く笑ってしまう時と場合も
あるが)。
しかし、これはWEBコミックでは致命傷になるだろうと思
わざるを得ない(PDFファイルにした所で横スクロールは
免れ得まい)。
それこそ、WEBコミックに適した効果方を模索するべきな
のかも知れない。見開きという技法に匹敵する、真に映像
的な手法を。
ここで、葡萄瓜が観る側として感じた不便な点を二、三掲
げてみたいと思う。

 1)長過ぎる縦スクロールは飽きる。
   スクロールにするなら素直にページ構成にして
   次ページへのリンクを貼って欲しいと思う。

 2)長すぎる横スクロールは逆行を生む。
   これはコミックの台詞が縦書きである事から
   生ずるもの。仮に横書きだったとしたらスク
   ロールと同じ方向に物語は進展する…か?

 3)一般コミックの様な手書きの内輪話
  (若しくはツッコミ)は判読し辛い。
   読めなければ読めないでも良いが、妙に気に
   なって仕方が無い。

これはあくまでも葡萄瓜が主観的に思った事なので、一意
見と言う風に思って戴きたい。これらがそんなに気になら
ない、と言う方が居るとは思って書いているし。
これからコミックが完全電子化されるかどうかは判らない。
が、電子化される中で今迄のコミックの概念を覆さざるを
得ない部分と言うのは発生して来ると思う。
其の時にこの駄文が何らかの足しになれば嬉しく思う。