本屋でOh My God! ショタって?
(2002.12.27)

 葡萄瓜の探し方の所為なのかどうなのか、本屋に並ぶ
BL本の傾向(プロ・アンソロ・同人問わず)が何となく
両極化してる様な気がする。
 極端に幼い『ショタ』か筋肉隆々か、だ。
 別に他所様の好みをとやかく言う訳では無いが、BL故
やおい故他の年齢制限本よりも身軽に手が届く、と言う
事で代用品にされてるのかなァと複雑な気分でもある。
特に『ショタ』については。

 で、何故今回は『ショタ』と鉤括弧付きで書いてるの
か。
 『ショタ』の語源について思いだして以降、何となく
理不尽な気分が拭えないからだ。
 
 元々『ショタ』はやおい用語、では無い。アニメファ
ンの中の用語ではあっただろうけど。本来は妙齢の女性
が半ズボンの似合う年齢の少年に対して血迷う、といっ
た感じの言葉『正太郎コンプレックス』、転じて『ショ
タコン』を更に縮めた形、の筈である。ナボコフ原作の
小説『ロリータ』を語源とする『ロリータコンプレック
ス』転じて『ロリコン』の対義語として創造されたと聞
く。
 やおい方面で『ロリ』『ロリショタ』『ショタ』が転
用(?)されるのは、まだ判ると言えば判る。そもそも
同人使用後で本来の定義のまま使われ続けている言葉は
少ないだろうし、転用された言葉なら尚更本来の定義を
説明できる人は少ないだろう(『ロリコン』も元は学術
用語の転用だが…原典をちゃんと読んで理解している人
が居るか些か怪しく思った経験がある)。
 でも、これが男性同性愛系統の雑誌で使われるとなる
と…かなりの理不尽さを感じる。むしろ、何故迎合して
しまうのか、と一抹の寂しささえ感じる。
 その雑誌が本格を装った同人誌の集大成、ならそれで
も幾分納得はするかも知れない。でも、それが男性によ
る男性の為の雑誌だったら…個人的に世知辛いものを感
じてしまう。
 そしてややこしい事に、PCゲームの世界では本来の定
義と新定義が混在し、混迷のままらしいと聞く。こう言
う時にこそ何か趣き深そうな言葉で代用するべきなんだ
ろうが…言葉を発掘しても所詮埋もれてしまうんだろう
か。

 今回は本屋で見かけた話題と言う事で書いた。しかし
この現象、WEBも無関係ではない。
 『ショタ』についても、時間の流れを見て判断するべ
きなんだろうか…。海外にも『SHOTA』『YAOI』で通用
してしまうしなぁ…(『RORI』は寡聞にも観た事は無い
が)。